合弁会社とは? ~合弁会社のメリットとデメリット~
- 合弁会社とはどういうものか
- 合弁会社のメリットとデメリット
- 有名な合弁会社とはどのようなものか
日本の会社法にはない形態で、意味としては、複数の異なる企業などが出資して設立される会社とされ、内国資本と外国資本の会社が共同出資して新たな会社を設立し、共同事業「合弁事業」を行うことを目的として運営するための会社のことです。
現地においては、その国の国内資本も参加しており国内法に準拠するのですが、一般的には外資系企業とみなされています。また、経営権の主体は出資比率によって決定されますが、いろいろな条件があり、現地側が51%、進出外国企業側が49%ということが当初多くありましたが、次第に、進出外国企業側が主導権を握れるように50%を超えられるようになってきました。
海外に直接投資をする場合、合弁という形態のみではなく、単独出資という選択もある。とちらにするかは重要なポイントで、一般的には次のようなことが挙げられます。
1)自社経営方針が徹底できますが、合弁と比較して負担する投資額が大きく、リスクが大きくなります。しかし海外進出において、失敗する原因の一つである、合弁相手との紛争を避けることが出来ます。
2)政府機関との関係など独自の人脈構築が必要になります。
3)事業内容によっては外資の単独出資が認められない、あるいは認められても何らかの条件がつけられる場合もあります。
1)合弁相手と分担することにより投資額とリスクを軽減できます。
2)合弁相手の政治力、販売力や設備を利用できます。
3)合弁相手の選択が難しく、開発途上国では資金力などの点で信頼に足る相手が少ないなどの難点があります。会社経営方針や配当方針を巡る紛争も考えられます。 従って、合弁を選ぶ場合には、関係法令を熟読の上、しっかりとした「合弁契約」を締結して、紛争の種をできる限り事前に摘み取っておく努力が肝要です。
単独出資との比較では、合弁会社は、設立・運営にあたって現地企業の協力を得ることができるというメリットがあります。例えば、合弁会社の設立段階においては、現地企業が現地の政府機関との間に持っているコネクションを通じて、円滑な設立が期待できます。また、信用のある現地企業と合弁会社を設立した場合には、現地での従業員などの募集において有利であることは間違いないことでしょう。さらに、途上国にありがちな法治主義ではなく、どちらかというと人治主義といわれる国においては、人脈が重要な武器になることがあり、合弁会社を設立した後においても、現地政府機関との交渉や情報収集、労働関係、取引先の開拓などにおいて、現地の企業の協力をえることができるなど、法で行動が縛られる日本とは異なり、法律よりも人の関係がより重視される国家にあっては日本では考えられないくらいに人脈を利用できることはメリットが大きいと言えます。また、合弁相手の企業が優秀な企業であれば、最初に単独企業を設立する場合と異なり、現地における会社経営のノウハウを学ぶこともできることも立ち上げるときには大きな助けになることでしょう。
さらに、外国企業が単独で企業を設立するよりも、現地の人々の反発がそれほど大きくないというのもメリットです。また、合弁会社は、利益配分や解散後の財産の帰属は、出資比率に応じて配分することと法律に定められている場合が多く、現地の当時企業とのトラブルが比較的発生しにくいというメリットがあります。
単独出資と比較した場合のデメリットとして以下のことが挙げられます。
日本企業は、合弁会社を設立するにあたって、多くの場合、合弁会社に対して、ライセンスというかたちで技術を供与しています。そのため、現地側から合弁会社に移籍している技術者は、合弁会社で技術指導を行うことにより結果として日本側の企業の技術を習得することになるわけです。
日本資本の日本企業のように名前からは感じられるNECですが、実は日本で最初の合弁会社であり、外資系企業ということになります。現在でも中国のレノボとパソコン事業で共同しているように、出発が合弁会社なので海外企業との連携にアレルギーの無い企業なのかもしれません。
日本のソニーとスウェーデンのエリクソンの合弁会社です。日本でもソニー・エリクソンのブランドで携帯電話を販売していましたが、2012年にソニーがエリクソンを買収してソニーグループへと吸収し、会社名もソニーモバイルコミュニケーションズへとなりました。
合弁会社は海外の企業と事業を行うことがほとんどなので、今起業するならタイがアツい!?〜タイの動向を探る〜のような海外の動向を知っておくことも大切なことかもしれません。